金 明植 『 帝国の首枷 』
( 『辺境』1 影書房 1996年・10)


「 一 帝国の同朋よ U 」

             帝国の同朋よ U


              考えなきゃ ならんさ。
              一度くらい 二度くらいは
              考えなきゃ ならんさ。

              帝国の同朋よ!
              飽食の 食料が
              どこの
              どの 土地の 貧しい農夫の 国から
              買い求めて来たかを
              考えなきゃ ならんさ。
              
              考えなきゃ ならんさ。
              飽食の 食料の 一粒一粒には
              命が 含まれており
              血が 混ざっており
              呻き声が 突き刺さっていることを
              一度くらい 二度くらいは
              考えなきゃ ならんさ。

              そして
              飽食の 食卓を 離れる前に
              一度くらい 二度くらいは
              視つめなきゃ ならんさ。
              あなたがたの 食べ残した 食べ物が
              捨て去られる 瞬間 瞬間ごとに
              どこかの
              どこかの 土地の 子どもたちは
              腹を空かせて
              死んでいっている 事実を

              アフリカの、
              ラテン アメリカの、
              そして
              隣の国の アジアの・・・・・・・・・・
 
帝国の同朋よT
帝国の同朋よ V