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「お帰りなさい。日本に帰ってきて、ホッ、としたでしょう。いいなあ、私も、早く自分の国に帰りたいですよ」
3ヶ月の中米取材から帰ってくると、電話口から懐かしい声が聞こえてきた。声の主は、名古屋に住んでいる在日ビルマ(ミャンマー)人のK(35)さん。相変わらず流ちょうな日本語。彼が難民認定を受けたのは2年前。今はアルバイトで生計を立てながら、自国の状況を日本の人に伝える活動を続けている。
9月の半ば、大阪に住む在日ビルマ人のM(36)さんを訪れた。彼は現在、難民不認定の取り消しを求めて控訴中の身である。昨年4月、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)から難民認定を受けた。それなのに、日本の裁判所はそれを認めようとしない。今後の展開によっては、本国へ強制送還という怖れがある。
「ミャンマーは今なお軍事政権下にあるものの、諸外国の指摘を受けて、人権問題の改善に前向きな姿勢を取っている」。裁判記録を読んでみると、日本におけるビルマの現状が全く伝わっていないことに愕然とする。
軍事政権を褒めそやす人は簡単に、「マスコミはすぐに、アウンサンスーチー=善、軍事政権=悪という図式で捉えているが、軍事政権も国をまとめるために努力をしている」と言い放つ。
頑固なスーチー氏の態度を強調しようとする。だが実際、対話をしようとしない、譲歩もしないのは、軍政側であることを知ろうとしない。スーチー氏はいまだ3度目の自宅軟禁の身である。自由な政治活動は全く許してもらえない。
この国の貨幣価値は10年前に比べて10分の1近くまで下がった。軍政は42年も続いている。これがこの国の現実である。
ビルマ国内に住みながら、援助活動をしている知人から連絡があった。
「ここに属さない外人の私でもはらわたが煮えくり返るのですから、ここの人々の心中は、どんなものでしょうね。感情を抑えて生きているのでしょう」
日本国内にも、ビルマ軍政と繋がりながら援助を続ける、一部の個人やグループがある。だが、その援助は、本当に現地の人のために役立っているかどうか。
訪問者として、強い「円」を持ってこの国を訪れる。良い面しか見せようとしないビルマ人に取り囲まれては、恐怖に縛られてた人々の生活が見えてこないのに。
(9月25日)
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