「 地球をたがやす 」

「 友だちと離れたくない 」
(6月14日)
4度目のエルサルバドル訪問は、99年の3月だった。内戦に終止符を打って7年。
もはや中米の小国に、東西冷戦の影は残っていない。
オンボロバスで首都郊外のネハパ市を目指す。そこで出会ったのが、案内役をかって
出た14歳のホルヘ。いつもニコニコしているだけで、こちらから話しかけるまで、めった
に口を開かない。でも、そばにいる女の子たちには、「お前も撮してもらったら」などと話
しかけている。
ごみを必死でかき分けている人々をとらえようとカメラのファインダーをのぞき続ける。
レンズの片隅に、こちらを向いているホルヘが入った。
「クイダード!(注意して!)」
大声が飛ぶ。すぐそこにトラックが迫っていた。撮影夢中で気づかなかった。ちゃんと、
見張ってくれているんだ。
「ほら、これだけ集めたんだよ」
中天の太陽を背に彼は、自慢げに袋を持ち上げた。笑みいっぱいの顔を大粒の汗が
流れ落ちる。
「何が入ってるの」
「まだ使えそうな機械の部品や瓶を集めてメルカード(市場)に持って行くんだ。ところ
で、そのカメラ、いくらするの?」
「2千ドルくらいかな」
「そんなに!ぼくらの稼ぎは、一日働いても20コロン(約180円)だから、想像がつ
かないな。メルカードの食堂でお腹をいっぱいにしたら、もう残らないよ」
「学校には行かないの」
「行きたいけど、お金がないからなあ。もっといっぱい働いて、お金を貯めて学校に行く
んだ。でも、ここには仲良しの友だちがいるから、そうなったら困るなあ」
ホルヘとの会話はそんな風に続く。
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