「 地球をたがやす 」

「 突然途絶えた東京からの手紙 」
(4月19日)
「なんだ、また来たのか。どうして毎日写真を撮る必要があるんだ」
スモーキーバレーに通うようになって3日目、入り口にあるチェックポイントの責任者は、
明らかに嫌な顔をするようになった。
しかし、ごみ収集車が走り回る現場での反応は、全く違った。
「やあ、また来たか。ここはニカラグアやカンボジアと違って居心地がいいのかい」
顔見知りになると気軽に声をかけてくれる。
そんな中、英語を流暢に話すジュンさん(47)と知り会った。
「おれはアメリカの永住権を持っているし、インディアナとフロリダではタクシーの運転
手をしてたんだ」
彼の恋人、ルビーさん(32)はこれまでに3回、日本に出稼ぎに行ったこともある。
群馬県の民宿で働いていた。冗談を言うとき、片言の日本語を口にする。
「日本と違って、フィリピンは暑いでしょう」
ときどき、片言の日本語を口にする。
最初、私はジュンさんの話を冗談だと思っていた。だが彼の家に遊びに行き、米国
の永住権証やインディアナ州発行の免許証を見せてもらい、びっくりした。彼の話は
本当だった。
「じゃあ、なぜ、ここでスカベンジャー(ごみ拾い)として働いているんだ。アメリカに
戻って、仕事を探した方がいいんじゃないのか」
「いやねえ。このルビーと一緒にアメリカに行きたいから、今、その手続きをして
もらっているのさ」
しかしルビーさんは、アメリカ行きの話はあまりしたくないらしい。実は彼女には、
日本人との間に2人の子どもがいる。
「日本の旦那はどうしたの」
「突然、連絡がこなくなった」
その日本人から送られてきた最後の手紙を見せてくれた。ぼろぼろになった紙片
には、東京の住所が書かれていた
たがやす1
たがやす3